TRA不動産ニュースコラム 2013年12月

※2013年当時の記事です。現在の法令・税率・金利とは異なる場合があります。

◆東京都内のマンションやビル 駐車場設置義務数を減らす方針 (25.11.28)
東京都は、大型マンションやビルの建築時に義務付けている駐車場の設置台数を減らす方針。都市部を中心にクルマ離れが進み、設置した駐車場の利用が低迷している。既存駐車場の一部を防災倉庫や駐輪場に転用することも認める。東京都駐車場条例の改正案では、区部で設置義務付け台数をマンションでは約15%、大型オフィスでは20~30%減らす。都が昨年実施した調査によると、23区のマンションや大規模オフィスでは駐車場の設置台数に対する利用率が多いときでも平均7割にとどまっている。

◆ お台場-大井間海底トンネル掘削完了 2015年度利用開始目指す
東京湾岸のお台場から品川・大井方面に向かう国道357号(東京湾岸道路)西行きの海底トンネルの掘削工事が完了した。現状では千葉から横浜方面のみで、内部を整備して2015年度中の利用開始を目指す。対向車線のトンネルも20年の東京五輪までに整備する方針。東京湾岸道路のうち同トンネルは都内で唯一未開通の区間となっている。完成すればお台場-羽田空港間の一般道での所要時間が現状の30分から20分に短縮される。国は東行きのトンネルも今年度中に発注予定で、20年の五輪開催に間に合わせるようにする。

◆不動産適正取引推進機構における相談事例紹介(32)
【相談者】戸建住宅売買契約の媒介をした宅建業者【内容】契約締結後に買主が死亡した。【考え方】契約締結後に売主または買主が死亡しても契約の効力は失われず、当事者の地位は相続人が承継する(民法896条)。買主の相続人は売買目的物の引渡しを受ける権利と売買代金の支払い義務を承継し、売主の相続人は売買代金を受領 する権利と売買目的物の引渡し義務を承継する。相続人が複数いるときは、相続財産は相続人間の共有となる(898条)。ただし、相続するか否かは相続人の意思で決めるべき内容とされ、「限定承認」(922条)・「相続放棄」(938条、939条)が採られることもある。単純承継・限定承認・相続放棄の選択は「自己のために相続を知った時」から原則3か月以内にしなければならない(915条)。相続人全員が相続を放棄する等によって相続人が不存在になったときは、相続財産は法人となって(951条)、家庭裁判所が選任した相続財産の管理人が遺産法人の代表者になる(952条)。取引中に相続の発生は、相続人の確定および意思の確認に時間を要することもあり、場合によっては引渡し日を延期せざるを得ないこともある。被相続人が申し込んだ住宅融資は被相続人の「一身に専属した」属性を基に審査(承認)されたもので、借入予定者の死亡により実行されず、相続人には承継されない(896条ただし書)。買主が死亡したときは手付解除(手付解除期日後を含む)や「融資利用の特例」による解除を考慮し、売主が死亡したときは相続人に債務の履行を求めるのが一般的。なお、相続人全員が相続放棄するような事態に陥ったときは、「相続財産管理人選任は『利害関係人又は検察官の請求による(952条)』」ことを取引の相手方に説明し、相続財産管理人の選任請求を進言する。

◆都心で出生率上昇 千代田区が上げ幅首位 (H25.11.13)
東京都が発表した2012年の合計特殊出生率によると、都心部の上昇が目立っている。上げ幅は千代田区が最も大きく(前年度比0.21)、港区(同0.10)が続いた。都心でのマンション開発が活発になり、若いファミリー層を引き付けている。23区の合計特殊出生率上位は、1位が江戸川区の1.40で1993年の調査開始以来トップを守っている。2位が足立区(1.37)、3位が葛飾区(1.34)となっている。千代田区は前年の17位から9位に大幅上昇、港区(6→4位)、中央区(8→7位)と都心3区の上昇が目立っている。

◆東京都の最低賃金869円に 10月19日から実施
東京労働局は、東京都最低賃金を1時間当たり19円引き上げ869円にすると発表した。引き上げは10年連続で、最低賃金が活保護水準を下回る「逆転現象」が解消された。実施は10月19日から。東京都最低賃金はパートやアルバイト、性別、国籍、年齢などに関 係なく、都内の事業所に働くすべての労働者らに適用される。869円は時給換算した生活保護の給付水準を6円上回る。沖縄県などの最低賃金より205円高い水準となっている。

◆ コインパーキング 料金表示のトラブル増加
コインパーキングの料金表記を巡るトラブルが相次いでおり、昨年度に全国の消費生活センターに寄せられた苦情・相談は過去最多の234件となっている。「1日最大○○円」などの看板を見て駐車したが、注意書きに気付かず高額請求された事例が目立つ。コインパーキングの表示を巡る相談は年々増え続け、12年度は03年度(25件)の10倍近い。最大料金をうたった看板を巡る相談が最も多い。同センターは日本パーキングビジネス協会に対し、誤解を招く表示を避け利用者が駐車前にわかるように利用条件を掲示することを要望。

◆不動産適正取引推進機構における相談事例紹介(31)
【相談者】戸建住宅売買契約の媒介をした宅建業者【内容】売主から「売買契約書には『現状有姿のまま売り渡し、買受けました』としているので、引渡時に存在している瑕疵は責任を負う必要はないのではないか」との質問を受けた。【考え方】「現状有姿」の意味は国語辞典(大辞林)では「(商品取引、特に不動産売買契約などで)その時点で確認できる現状」とするが、法律用語ではないために契約当事者の各々の解釈が異なる可能性のある用語といえる。質問の内容の条文は「契約した時の物件の状況に、何ら手を加えないで、そのままの状態で引き渡す」という意味で、民法(483条)の「特定物の引渡しであるときは、・・・その引渡しをすべき時の現状でその物を引き渡さなければならない」ことを示したものではない。瑕疵担保を免責とする場合は、特約でその要件を明確に約定する必要がある。オリジナルの契約書で「本契約は、現状有姿売買につき、売主は瑕疵担保責任を負わないものとする」との表現を見受けるが、「現状のまま引き渡す」ことが「瑕疵担保を免責とされる」という理由にはなり得ず、「瑕疵担保を免責とする約定」とはされるものの、不要な表現がある条文といえる。なお、引渡し時に、売主が「付帯設備状況」表に「有」とした設備等を撤去した、または、故障不具合を「無」とした機器等が引渡時点で故障しているときに、売主が「現状有姿とは、引渡し時の現状での引渡しだ」と主張した場合には紛議となる。売主に「付帯設備状況」表の記載を依頼する際は、撤去予定の設備等は「付帯の有無」の欄の「無」にチェックを入れ、備考欄に撤去する旨を記載するように誘導する。また、売主は売買対象物を「引渡しまで善良なる管理者の注意をもって保管しなければならない」ので、故障不具合について「無」とした設備等は稼働する状態で引渡すことが必要。「付帯設備状況」表の告知者は売主だが、記載内容は媒介業者も細心の注意を払って確認すべきである。

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