※2011年当時の記事です。現在の法令・税率・金利とは異なる場合があります。
◆不動産業界に求められているのはコミュニティ作り (23.1.26)
マンションは隣近所との接触はほとんどない。しかし突き詰めれば、ないのはおかしい。住宅は生活の基盤と言いながら、基盤が家族だけでは地域や社会は維持できない。今社会の多くの問題は崩壊という形の価値観の喪失である。助け合う、他人に気を使う、連帯するから国を思うまでに発展するのである。家族以外に気配りすることが煩わしい社会は、やがて方向を失う。煩わしさを乗り越えてこそ、人や国は成長するのではないか。幼稚な国から大人の国になるためには、小さな地域や住まいからコミュニティを形成して大きくして行く必要がある。その最も小さな単位のマンションを共有するデベロッパーは、コミュニティを形成しやすい住宅を心がけるべきである。今後建物以外にこのコミュニティ形成のソフトを磨き供給して欲しい。この部分の競争は大いにやるべし。不動産で一番価値が出るのは、良きコミュニケーションの取れた住宅である。そういう場所はまず売り物が出ない。住民はそこから出たくないからである。売り物が出ないと価値は上がる。無形の価値を作るのに、知恵やお金をケチってはいけない。 ◆グリーンビルの証明取得が進むであろう環境に優しいビルがグリーンビル。日本ではまだその他のビルとの差別化が進んでいないが、進んでいる国では金利が安くなったり、税金やその他を優遇している。オーストラリアの不動産投資運用会社のレンド社は、全ての開発物件でこの証明取得を義務付けしている。投資会社が取得を義務付けると言うことは、供給側はそれに合わさざるをえず促進される。不動産の持続可能性を最優先した投資・運用姿勢である。 ◆建築物の床下点検は重要点検することで白アリ被害、さび、水漏れ、汚れ、異物の侵入、基礎のひび割れ等がわかる。しかし床下は狭く見にくい。大和ハウスでは専用の床下点検ロボを開発し、来春から現場に投入する。人間に胃カメラがあるように、家にも胃カメラのような点検器具があればいいと筆者は思っていたが、実現しそうである。何年に一度かは床下点検が習慣化できるような、住宅業界の常識になれば大地震の被害も相当少なくなる。何と言っても阪神・淡路大震災の倒壊建物の90%は白アリ被害があったとか。 ◆ブラウンフィールドとは土壌汚染された土地でその浄化費用があまりにかさむため、更地のまま放置され何ら対策がなされず放置された土地を云う。対策費用が土地価格の30%以上を超えてくると、ブラウンフィールドになりやすい。対策には浄化費用の低コスト化が望まれる。 ◆建築基準法と民法の関係民法・・・建築物は隣地境界線から50センチ以上離しなさい。建築基準法・・・建ぺい率100%が可能の場合がある。『防火地域や準防火地域等』どちらが優先されるのか→建築基準法は民法の特別法であり民法に優先する。50センチ以下の違反建築物に対して・・・着工後1年か、建物が完成してしまえば損害賠償しか認められない。 ◆マンション管理費は先取特権先取特権は登記をしなくても、一般債権者に優先する。マンションが売却等されても、その特定承継人は承継前の管理費等の滞納債務は承継する。従って管理費の滞納の有無を契約前に調査しておくのは、重要なことである。特定承継人のこの債務の引き受けは、従前の区分所有者と重畳的で、両者の関係は不真正連帯債務であり、引受人は元の区分所有者に求償出来る。競売の買い受け人も同様である。 ◆エコキュートとエネファーム (23.1.14)1. エコキュート・・・「自然冷媒ヒートポンプ給湯器」のこと。関西電力が商標登録している。市場では、09年10月は200万台も売れている。深夜電力を利用した場合は給湯費を抑えられる機器。ヒートポンプ貯湯タンクが必要。低周波が出て騒音になる場合もある。2. エネファーム・・・「家庭用燃料電池コージェネレーションスシステム」のこと。家庭用燃料電池の普及を目指した推進協議会が決定した統一名称。自宅で発電なので送電ロスがなく、電気料金が安くなる。初期費用は高い(1機300万位)。ガス等から水素を取り出して発電する。発電時の排熱で貯蔵タンクを温める。両者とも省エネ等で、住宅に採用が増加している。東京ガスの試算では150㎡の戸建で、CO2 は2割削減できるとの事。 ◆建設・不動産業界もクラウド利用が普及している既に導入社は建設会社で1万社、不動産会社で2,000社に上る。クラウドはクラウドコンピューティングの略で、インターネット上でアプリケーションソフト等のサービスを提供することを言う。クラウドは自己成長を図れる。用語や単位などを関係者で統一化、体系化を図れるので業界全体等での集合知を形成でき、効率化をさらに向上させることができる。一企業の成長にとどまらず業界の成長につながる。 ◆相続税が強化の方向現在非課税は5,000万+(法定相続人×1,000万)→改定後3,000万+(法定相続人×1,000万)政府税制調査会が方針を固める。現在相続税を支払う層は4%程度であり、ピークの半分になってしまっていることも考慮。税収は3分の1の1兆円に減?している。税は強化すると必ず節税策を講じるので、思惑通りには中々行かない。 ◆目隠し設置義務違反(民法235条)【ある弁護士のつぶやき③】民法第235条は、目隠し設置義務として、「境界線から1m未満の距離において他人の宅地を見通すことのできる窓又は縁側(ベランダを含む。)を設ける者は、目隠しを付けなければならない」と規定しているが、その認知度は極めて低い。しかし、裁判になれば、設置義務違反者は負けるので、このトラブルは結構発生する。例を挙げると、土地を購入してアパートを建築したところ、南側隣接地の地権者から、「境界から1m未満にある窓のすべてに目隠しを要求された」ケースがある。アパートの建築主は、アパートが予定していたように賃貸できなくなり、工務店等に対する損害賠償請求等、大きなトラブルになってしまったものである。 ◆古いビルを媒介する場合の注意【ある弁護士のつぶやき④】大手の宅建業者の一部は、築30年といった古いビルの媒介は行わないようだ。現在の市場における不動産の処分は会社整理前提での資産処分が多く、後日建物瑕疵のトラブルが発生した場合、売主が存在せず仲介業者が訴えられるリスクを伴うため、古いビルの媒介は敬遠されているようだ。そのため、中小の宅建業者が古いビルの媒介をすることになる。この場合は、必ず「耐震診断・吹付アスベスト調査・かぶり厚調査」をした上で取引に臨むべきだ。古いビルの中には、設計図書どおりに建築されていないものがある。耐震強度について、マンションの管理組合で耐震調査を実施したところ、強度不足が判明しその結果を管理組合の役員が闇に葬っていた事例がある。かぶり厚不足の問題も法曹の世界では議論になっており、認める判決もあれば、否定する判決もある。かぶり厚の調査は、数十万円で専門業者に頼めるので、取引に当たっては実施しておくことが肝要だ。