TRA不動産ニュースコラム 2009年2月

※2009年当時の記事です。現在の法令・税率・金利とは異なる場合があります。


◆東京のオフィス事情は国際的には悪くない (21.2.26)東京は米国より集中性が高い。ワシントンが政治、ニューヨークは経済、ロサンゼルスはレジャーといった米国の機能を1カ所で持っている。また東京は人口が流入している。東京圏の都市圏人口は3500万人に達し世界で群を抜いて1位である。テナント会社も大幅な人員削減は少なく、色々な業種が混在し、多様性を持っている。 ◆国と都は外環道路の完成を急ぐべきである主要高速道を全てつなぐ道路は最も経済効果が高い。大深度での建設も決定している。こういう不況の時はチャンスである。公共事業費を前倒ししても急ぐべきである。本当に何年もかかっていて世界に恥ずかしい。計画からもう40年以上かかっている。残りはたった16キロの距離。この道路の経済効果は誰が考えても抜群の利便性がある。最優先課題といっても言いすぎではない。日本人やマスコミは賛成のキャンペーンを張るのが下手である。早期完成を選挙公約で掲げる政治家の出現を期待したい。 ◆長門裕之氏の介護の話テレビで彼の妻、南田洋子さんの認知症介護の映像を見た。高齢化で多くの親は死ぬ前に痴呆の症状を示す。この期間が長いほど周りの負担は大きい。彼は妻の介護を「天命」ととらえ積極的に受け入れ尽くしている。彼の悟りに近い心境の中の言葉で「患者は介護されることが人生のすべて」「同じ目線で接することが必要」「健常者の目線や見下す目線は禁物」と体験を通じ会得している。つまり自らが勉強させられているという。すばらしい役者は吸収も早い。介護者という役を演じていてすばらしい介護者になってしまった。読売新聞にも彼の介護の話は掲載されていた。「老後はゴルフや旅行をと思っていたら与えられたのはゴルフバックでなく妻の病気だった。だったら天命と受け止めゴルフクラブをふる代わりに妻のおむつをはかせようという気持ちになればいいだけの話」・・・これも人生ですよ・・・と素晴らしい気持ちの切 り替えである。真剣に介護に立ち向かうことでより深いものを得ている気がする。 ◆マンション建て替えの5分の4の意味建て替え決議は5分の4の賛成さえ得ればOKと言っても、反対者は建て替え決議無効で裁判に持ち込むケースが多い。阪神・淡路大震災では、被害マンションの建て替えで神戸地裁は建て替え派を勝利としたが、判決の趣旨は「建物の維持・回復にかかる補修費用が過分か否か」がポイントであった。判決では、過分か、否かの判断は区分所有者自身が総合的に判断(費用面だけではない)して決めるものとした。費用面だけに絞っても、区分所有者の主観でどのくらいのレベルを求めるかで、高い低いがありうる。判決では結局建て替える場合の具体的基準は示されず、多数の区分所有者の主観を尊重した。この裁判は最高裁まで行き、建て替え派が勝利している。建て替え反対の者は敷地の更地価格-解体費用で売り渡しを請求される。 ◆売買代金のキャッシュバックは本当に値引きになるのか?売買契約締結後に代金の一部をキャッシュバックする旨が記載されている契約が割安感を与え、消費者の購入意思形成の動機を助長している。例えば4,000 万円の物件の場合、住宅ローンは満額にしてその融資額のうち200 万円を返還して新しい家具や電化製品等、あるいはマイカーの購入資金に充てさせ、消費者のモチベーションを上げる新種の荒手商法が横行しているという。しかし、買主が支払う返還額を含んだ代金総額は通常の相場価格であり、実質的な利益はないものが多い。通常の値引きに比べると、購入に際して借り入れたローン元本が大きくなり、金利が増加してしまうことになり、これは金融機関に対しては詐欺紛いの行為に等しい。宅建業者には消費者が被るリスクを防止するための義務が課せられていることを忘れてはならない。 ◆国籍を理由に賃貸借契約を拒絶した賃貸人の不法行為責任賃貸借契約の借主となる会社が、外国籍の従業員を入居予定者とする賃貸借契約 を提出したところ、最終審査の段階において賃貸人が契約を拒絶した。契約の成立に向けて準備を行ってきた借主が、合理的な理由がないにもかかわらず契約の締結を一方的に拒んだとして訴えた裁判で、京都地裁は、信義則上入居予定者の損害金を認めた(平成19 年10 月)。賃貸物件の入居予定者が高齢者あるいは外国籍であるなどの理由で賃貸人から契約を拒否されることは少なからず存在するのが現状であるが、外国籍であることを理由に契約を拒絶する差別的な行為は許されないことを改めて示したものといえよう。 ◆200メートルマンション出現 (21.2.16)今年3月、大阪、三越跡地にマンション完成。「ザ・北浜」なんとこのマンションは54階建てで209メートル。この高さはマンションでは日本一。最高階は坪単価631万円。 ◆50年ローンを考える現行35年の借り入れ期間を50年に延ばしたローンが出現。だが50年間も安定して職場や給料が存在することはあり得ない状況になっている。一流企業でも10年先は読めない世界。こうして無理矢理買いやすく見せかけることは、果たして購入者の為になるのだろうか。特に問題なのは破綻して自宅を売り出しても借金が減っていなかったり、買値を大幅に割ってしか売れないことにある。借金を減らしておくには借り入期間を短期に設定することである。売値の下落はノンリコースローンにすべきである。いずれも日本の現状では難しい。やはり抜本的解決法は政府が供給側を援助して価格を引き下げるか容積率をアップして土地代を下げることである。ローンの期間を延ばすことで高価格を維持するのは、結果としてサブプライムローン問題と同じ結果を招く。 ◆坪の話1坪とは、一人が一日に食べるお米の取れる面積。つまりたたみ2畳分が、一人が一日食べるお米の取れる面積になる。一人が1年で食べるお米の量が1石(こく)で、1石の収穫がある田んぼの面積が1反(たん)。1石=10斗、1斗=10升、1升=10合だから、1石では1000合。太閤検地で1反は300坪とされたので、1坪あたり取れる米の量は1000合÷300坪=約3.3合。1合は標準的な1食分の分量だから、ちょうど一日分のお米の量(=3食分の量)になる。100万石というと、100万人の人たちが1年間食べるお米を生産できる国だということ。 ◆「礼金は不当な利益と言えない」と元居住者の控訴を棄却賃貸住宅の契約時に礼金18 万円を支払ったが、この契約においては、賃貸借契約終了時に礼金を返還しない旨の約定が記載されており、これに基づき、退去時に礼金は返還されなかった。これについて元居住者が、「一方的に強要された根拠のない金銭であり消費者契約法違反だ」として控訴した裁判において、京都地裁は、「礼金は賃料の前払いの性質がある」として、この訴えを棄却した(平成20 年9 月判決)。その内容は、「通常損耗の補修費は賃料に含まれ、賃料という名目だけでなく、賃料の前払いである礼金という名目により回収しているものであり、また、あらかじめ契約書に明記しており不当な利益とは言えない」としている。礼金を支払う契約が有効か無効かを正面から争った訴訟であり、消費者契約法上有効とした判決は注目に値しよう。 ◆ゼロゼロ物件で滞納した入居者が「追い出し屋」を提訴「敷金・礼金なし」のいわゆるゼロゼロ物件の賃貸住宅入居者らが、賃料の滞納等の義務違反があれば鍵を交換して法的手続を無視して実力行使で退去を迫る「追い出し屋」を平成20 年12 月5 日大阪簡裁に提訴した。「追い出し屋」と呼ばれる業者の大半は、借主の連帯保証を請け負う家賃保証会社に多いとされているが、家主や管理会社が直接退去を迫る例もある。宅地建物取引業法の適用のない賃貸管理のため、違法性を追求するには、業務上の制度設計は困難であるとしても何らかの規制が望まれる。

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