TRA不動産ニュースコラム 2011年9月

※2011年当時の記事です。現在の法令・税率・金利とは異なる場合があります。

◆個人マネー震災で安全志向普通預金200兆円に迫る (23.9.30)
日銀によると、国内銀行(ゆうちょ銀行を除く)が預かった個人の普通預金などの残高は、2011年6月末で約190兆9000億円となった。残高は過去最高を更新、前年比で6.0%、10兆7000億円増えた。個人の普通預金の伸びは、昨年は平均で3%程度だったが、震災が起きた3月以降は5%を超えている。家計調査でも、4~6月の預貯金純増額は月間平均で6万6000円と、1~3月の200円から急増。可処分所得は前年同期比で4%減ったものの、消費支出や保険などを抑えて預貯金を積み増した。個人国債の満期償還金や震災被災者に支払われた保険金も、普通預金に滞留している模様。今は安全志向でマネーが滞留しているが、復興が本格化すれば徐々に落ち着くはず。その資金が、いつどのような形で不動産へ向かうことになるか?流れの変わり目を見極めたいところだ。 ◆関東で記録的大雨横浜では6000世帯一時避難勧告8月26日午後、大気の状態が不安定になり関東地方を中心に大雨となった。練馬区では1時間に90.5ミリ、神奈川県相模原市で94.5ミリ、東京羽田で82ミリと観測または月間最多雨量を観測した地域が続出した。板橋区では住宅の床上浸水が12件、床下浸水が11件、18箇所の道路冠水が発生。床上浸水は他に新宿区4件、中野区4件、北区3件など。大雨は地下室が怖い。今回、練馬区旭丘ではビルの地下1階で流れ込んだ雨水でドアが開かなくなり、3人が部屋の中に一時閉じ込められた。過去には新宿区などで死者も発生しており、一気に雨水が流れ込むと逃げ場がなくなる。ここのところ毎年のようにあるゲリラ豪雨、対策は万全ですか? ◆不動産流通4団体が「反社会的勢力排除の手引き」を取りまとめ全日本不動産協会、全国宅地建物取引業協会連合会、不動産流通経営協会及び日本住宅建設産業協会が連携して「適正な不動産取引のための反社会的勢力排除の手引き」を取りまとめ、「売買契約書の標準モデル条項例」等を提示した。これは不動産取引から暴力団等反社会的勢力を排除するため、4団体が自主的に取り組んだもので時宜を得たものと言える。これまで、政府においては「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」を取りまとめ、都道府県においても暴力団排除条例が制定されてきた。こうした動きに対応して、モデル条項が示されたものである。具体的には、契約書において、①あらかじめ契約当事者が反社会的勢力でない旨等を相互に確約し、②契約後において取引の相手が反社会的勢力であったことが判明した場合や反社会的勢力の事務所等に供された場合、契約の解除等速やかに反社会的勢力の排除の対応ができると定める取決めである。本条項を取り入れることによって、①コンプライアンス宣言機能、②取引時の予防・抑止機能、③取引後の排除ツール機能、④裁判規範機能(裁判所がそのことを前提として判断を下すこと) を果たすことが期待される。 ◆大田区が羽田に国際展示場空の玄関に直結大田区は2020年を目処に羽田空港の敷地に国際展示場を建設する方針。空港の沖合拡張に伴って生じた土地を国から取得し、展示場を整備する方針。今後、企画や設計段階から民間が参加することも視野に、具体的な資金調達方法など事業計画作りに向けた検討作業に入る。周辺には東京ビッグサイトや幕張メッセ、パシフィコ横浜などのコンベンション施設があるが、国際空港直結の新たな展示場は、これらの大きなライバルとなる。 ◆80歳以上の主任者調査を実施<都道府県>都道府県の宅建業法主管部局では、資格登録をしている80歳以上の主任者調査を平成23年度に実施することとしているが、8月から徐々に調査が開始された模様だ。これは、各都道府県が、①抽出リストを作成し、②関係市区町村に調査依頼を行い、③関係市区町村からの回答を得て宅建業法第22条の規定に基づき、的確に措置していこうとするものである。この調査はこれまで3年ごとに実施されてきたが、都道府県が日々の業務で活用している宅建システムの更新に伴い、平成24年度以降は毎年実施することが予定されている。 ◆ヤマダ電機ハウスメーカーのエス・バイ・エル株式を公開買付(TOB) (23.9.15)ヤマダ電機がエス・バイ・エルを連結子会社化することにより、ヤマダ電機の店内にモデルハウスを設置し、住宅、省エネ家電、電気自動車(EV)等を組合わせた複 合的な提案を行なう。また、エス・バイ・エルが過去に販売した戸建住宅のオーナーへ、太陽光発電システム等を含めたリフォームや省エネ家電、EV等の販売を両社で進めていく。家電量販店が住宅メーカーを連結子会社化する流れ、業界の枠を超えた動きに要注目である。 ◆コンクリートの強度は10年で2倍に向上 コンクリートの原料は、主にセメントと砂利と砂と水。混ぜ合わせると化学反応が起きて、セメントに含まれる珪素やカルシウムなどが周りを水で取り囲むような構造になり、強度が出る。コンクリートの強度は1平方ミリメートルあたり100ニュートンなら、1平方センチメートルで1トンの重さに耐えられる。1985年頃のコンクリートは30ニュートンくらいだったが、1997年には60ニュートン、2006年には130ニュートンと約10年ごとに2倍になっている。現在は160ニュートン。さらに大成建設と竹中工務店では、300ニュートンの強度を目指して開発中。数年後には実用化される見通しで、50階超の高層マンションでも鉄骨を使わず鉄筋コンクリートで建築できるようになる見通し。 ◆フラット35S 9月末で打ち切り住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)が扱っている住宅ローン「フラット35S」について、金利を1%幅下げる優遇措置が9月末までの申し込みで打ち切ることとなった。当初は12月末までの予定だったが、利用者が多く予算(22万戸分、約6千億円)を超過しそうなため、終了時期を3カ月前倒しする。また、三菱総合研究所はこの金利優遇策について、新設住宅着工戸数を最大で年13万戸押し上げたとする試算をまとめた。低金利にひかれて期間中に住宅を新築する人が増え、住宅投資を下支えしたと分析。打ち切りまであと半月、駆け込み需要も予想される。 ◆最高裁の更新料判決の概要<?不動産適正取引推進機構情報>賃貸住宅の更新料の支払を求める契約条項が無効か否かが争われた3件の上告審判決(平成22年7月)において、最高裁は、更新料の額が賃料の額、賃貸借契約が更新される期間等に照らし高額に過ぎるなどの特段の事情がない限り、消費者契約法10条により無効ということはできないとしたが、その概要は次のとおりである。①更新料の性格:「更新料は賃料と共に賃貸人の事業の収益の一部を構成するのが通常であり、その支払により賃借人は円満に物件の使用を継続することができることからすると、更新料は、一般に、賃料の補充ないし前払、賃貸借契約を継続するための対価等の趣旨を含む複合的な性質を有するものと解するのが相当である。」と位置付けている。②消費者契約法10条の該当性:「更新料の支払にはおよそ経済的合理性がないなどということはできない。また、一定の地域において、期間満了の際、賃借人が賃貸人に対し更新料の支払をする例が少なからず存することは公知であることや、従前、裁判上の和解手続等においても、更新料条項は公序良俗に反するなどとして、これを当然に無効とする取扱いがされてこなかったことは裁判所に顕著であることからすると、更新料条項が賃貸借契約書に一義的かつ具体的に記載され、賃借人と賃貸人との間に更新料の支払に関する明確な合意が成立している場合に、賃借人と賃貸人との間に、更新料条項に関する情報の質及び量並びに交渉力について、看過し得ないほどの格差が存するとみることもできない。そうすると、賃貸借契約書に一義的かつ具体的に記載された更新料条項は、更新料の額が賃料の額、賃貸借契約が更新される期間等に照らし高額過ぎるなどの特段の事情がない限り、消費者契約法10条にいう「民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するもの」には当たらないと解するのが相当である。」とした。

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