TRA不動産ニュースコラム 2012年7月

※2012年当時の記事です。現在の法令・税率・金利とは異なる場合があります。

◆働き手が450万人減へ 2000年から35年で 1都3県 (H24.7.30)
国土交通省は、1都3県の生産年齢人口(15~64歳)が35年に00年から450万人減るとの推計を明らかにした。東京23区の人口(900万人)の半分の働き手がいなくることを示している。高齢者人口は増加の一途辿り、35年には東京圏の総人口に占める割合が32%なる。とりわけ85歳以上の一人暮らしの高齢者が神奈川県東部、埼玉県南部の市町で急増するとしている。いずれも高度経済成長期に転入者が急増した地区が多く、高齢化が急激に進むと見ている。◆新宿区 木造違反建築物にも耐震化助成新宿区は道路に面していなかったり道路にはみ出いていたりする「違反建築」の木造住宅に対する耐震化工事の助成を7月から始める。震災時に倒壊や火災の危険が大きい木造密集地域には違反建築物もあるが、これまで建築基準法に適合してない建築物には助成をしてこなかった。人命保護を優先し、方針を転換した。同事業は耐震化の設計費や工事費の一部を助成するもの。助成にあたっては、建て直す際に違反を直すことを書面で約束してもらうなどの条件つける。◆全国的な空き家の増加と宅建業者の役割少子・高齢化、過疎化等多様な要因から全国で空き家が増え続けている。住宅・土地統計調査(総務省)によれば、 平成20年は757万戸(空き家率13.1%)と、最近10年間で181万戸増加し、様々な問題が生じている。生活環境、廃棄物、防火・防犯上及び景観等の問題も含め、全国的に深刻な問題として広がりをみせている。国・地方公共団体における空き家物件情報の登録・斡旋等の施策をはじめ、空き家の有効活用に向けた各種取組が求められるが、宅建業者の役割は極めて重要である。国・地方公共団体の施策への協力はもちろんこと、空き家物件案内や仲介に際して、例えば農山漁村、既成市街地及び伝統ある古都等から、それぞれの地域が持つ多様な魅力や特性に関する情報を一体的に発信することが買主・借主の住み替え意欲に繋がり、市場に活気が生まれ、空き家の再生・流通一層進んでいく。また、被災者のための賃貸住宅提供等、空き家の有効活用が災害対策に貢献することも期待される。◆不動産適正取引推進機構における相談事例紹介⑪ 【相談者】 借家人 の連帯保証【内容】 3年前に友人である借家の連帯保証人になった。賃貸借契約は2年契約。契約更新の際、友人と大家交渉が円満に進まず法定更新となった。その後、友人が行方不明になり大家から滞納家賃の支払と家財道の処分を要求された。【①滞納家賃の支払】賃貸借契約が更新された場合、連帯保証人が更新後の契約について責任を負うか否は、「反対趣旨をうかがわせるような特段の事情がない限り、更新後の債務についても保証の責めを負う趣旨で合意がされたと解するの相当であり、更新後も連帯保証人は責任を負う。」との最高裁判例(平成9年11月)がある。この判例は、賃貸借契約の更新が合意更新の場合であるが、法定更新についても、更新後に生じた債務にも及ぶとした判例(東京地裁・昭和61年6月)があり保証人の責任が肯定されると思われる。本件場合、更新後は保証を負わない旨の特段の特約がない限り、大家の要求に応じざるを得ないと思われる。【②家財道具の処分】 友人の家財道具とはいえ、慎重に対応すべきである。連帯保証人は借家の家財道具を占有しているわけでないので、処分する権限まではないと考えるのが相当である。家財道具を勝手に処分した場合、後で不法行為として損害賠償請求をされることも十分考えられる。本事例とは事情は違うが、連帯保証人が賃借人の精子を無視して家財道具を処分したことが不法行為とされた事例がある(東京地裁・平成23年2月)。以上のとおり、本件については、慎重な対応が求められるが、一方で、早急に友人も両親等と相談することが必要である。 ◆都立公園がより広く 14ヶ所で周辺の土地取得 (H24.7.11)東京都は都市整備や街の緑化の一環として、井の頭恩賜公園や石神井公園など都立公園14ヶ所の面積を計約11.8ヘクタール拡大。周辺の民有地を取得するなどし、6月1日付で公園面積を変更した。井の頭恩賜公園の追加面積は約1.8ヘクタール。2年前に民間所有の土地を約4ヘクタール取得し、うち一部を整備した。石神井公園は周辺の宅地を取得し約1800㎡広げ、町田市の大戸緑地は約4.1ヘクタールを追加した。 ◆多摩ニュータウン団地屋上で太陽光発電市民の出資を募り5000キロワット目標多摩市で太陽光発電の普及を目的にした市民ファンドが年内にも立ち上がる。市民から出資を募り多摩ニュータウンの団地屋上に太陽光パネルを設置。3年後を目処にまず同市内で5000キロワットの発電を目指す。多摩市に住む建築士や会社員OBら35人が「多摩市循環型エネルギー協議会」を設立し、来年度にも多摩市民を対象に出資者を募集する。太陽光発電の事業主体となる法人を設立し、再生可能エネルギーの買い取り制度を用いて電気を電力会社に売り、出資者に配当する。 ◆東京都水道局 マンション節電へ給水方式の変更を促す東京都水道局は、今年度後半からマンションの節電支援として水道水をポンプで屋上の貯水槽に上げて各世帯に給水する旧来の方法から、給水管に圧力をかけて各階に送る「直結給水方式」に切り替える場合の工事費を軽減する。水道局の試算では、3階建て10戸のマンションなら共用部分の電気料金を年11万円削減でき、5階建て20戸のマンションであれば年18万円節減できる。切り替え工事費は規模によって50万~300万円程度で、これをどれほど軽減するかは今後詰める。 ◆環境不動産懇談会の提言<国土交通省情報>【背景】我国の不動産市場が国際競争力を高めるためには、防災対応(緊急課題)と環境対応(長期的課題)を両輪で推進し、持続可能な成長シナリオを描くことが必要である。しかし、現在は情報の欠如等を背景に、不動産の環境対応が市場で積極的に評価されているとは言い難い。【提言】第一に、情報の可視化・流通促進の観点から、①エネルギー消費量等のベンチマークの作成などわかりやすい情報提供、②オーナーによる情報の効率的な計測、保管及び提供、③投資・金融、テナント、不動産仲介の立場による情報の活用。第二に、環境不動産市場拡大の観点から、①既存ストックにおける環境対応(オーナーとテナントの協働、中小ビル・地方部をはじめとした環境対応の推進)、②テナントの需要喚起(ニーズの吸収と新規需要開拓、インセンティブによる需要の後押し、公的機関による環境不動産への入居推進)。第三に、共通の課題として、不動産業界の技術情報等の有効活用、調査・研究の促進。なお、今後の展開に向けては、各市場参加者が最善の取組を推進し、公的機関における民間の自主的な取組を後押しすることが、不動産市場を通じて、我国の不動産ストックの持続可能な社会基盤への転換が可能であるとしている。 ◆不動産適正取引推進機構における相談事例紹介⑩【内容】宅建業者が自ら売主になる場合、事務所等以外の場所で買受けの申込み又は売買契約を締結した買主(宅建業者を除く。)は、申込みの撤回等ができることを書面で告げられたときから8日以内であれば、書面で撤回をすることができるが、民法は初日不参入が原則なので、例えば、日曜日に喫茶店等でクーリング・オフについて告げられた上で契約を締結した場合、翌月曜日から数えて8日目に当たる次の月曜日までならクーリング・オフができるのか。また、買主が法人の場合でも同様か。【回答】クーリング・オフについては、宅建業法37条の2第1項1号で、「…申込みの撤回等を行う場合の方法について告げられた場合において、その告げられた日から起算して8日を経過したとき。」とされている。本件の場合、告げられた日曜日から起算して翌週の日曜日(告げられた日の翌週の同じ曜日)までに契約を撤回する書面を発送しなければならない。なお、クーリング・オフできることを書面ではなく口頭で告げられたときは、8日間の起算が始まらないので、買主が引渡しを受け、かつ、代金の全部を支払わないうちは契約を解除することができる。申込みの撤回等を行うことができる旨及びその方法について告げる書面の記載事項は、規則16条の6に規定されているが、同1号に、「買受けの申込みをした者又は買主の氏名(法人にあつては、その商号又は名称)及び住所」とされており、法人が買受けの申込みをした者又は買主の場合であってもクーリング・オフはできると解される。

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