TRA不動産ニュースコラム 2013年4月

※2013年当時の記事です。現在の法令・税率・金利とは異なる場合があります。

◆国土交通省 空き家解体費用の8割補助 災害時の危険を減らす (H25.4.23)
国土交通省は2013年度にも、使わなくなった空き家を個人が解体する費用の一部を補助する方針。国と自治体で合わせて費用の最大5分の4を支援する。大地震等が起こった場合、空き家が倒壊して都心部の避難路を塞ぐ危険があることから支援体制を強化する。補助の対象となるのは空き家の所有者。解体する場合、国と自治体がそれぞれ最大で5分の2を支援する。ただし、解体して建物がなくなると住宅用地の優遇措置の対象から外され、固定資産税が数倍に跳ね上がるため、将来的には資産課税方法を見直す必要もあるとみられる。

◆都内の65歳以上過去最高の275万人 総人口の20.95%
東京都がまとめた2013年1月時点の住民基本台帳に基づく都内の総人口のうち、65歳以上の老年人口は275万人で総人口に占める割合が20.95%に上った。昨年(20.76%)を上回り過去最高。また1世帯あたりの人数は1.98人で過去最少を更新した。都内の総人口は1313万人で昨年比44万人(3.5%)増。 昨年に外国人登録制度が廃止されたことに伴い、新たに住民基本台帳で集計されるようになった外国人39万人が総人口を押し上げた。1世帯当たりの人数では、新宿区の1.62人が最も少なく江戸川区が2.13人で最多だった。

◆不動産適正取引推進機構における相談事例紹介
【相談者】中古住宅を媒介した業者【内容】決済前の売主の境界明示で境界標の確認ができなかった。買主が「媒介業者には土地の境界確認の義務がある」と主張。業者は「契約にあるとおり、境界の明示義務は売主にある」と主張。【考え方】標準の売買契約書は「売主は買主に対し、本物件引渡しのときまでにその立会いのもとに、現地において境界を明示しなければなりません。」としている。この約定は売主の説明義務を約し、業者の調査義務について定めたものではないが、業者には「仲介業務の本旨に従い善良な管理者の注意をもって、売買契約が支障なく履行され、売買当事者双方がその契約の目的を達成するよう配慮する義務を有し、(略)売買対象土地の範囲が不明確な場合はその境界を明示して買主に土地建物買受の目的を達成させ損害の発生を未然に防止すべき義務があるというべきである。(大阪高判昭和61年11月18日判決)」とされている。売買対象物の特定は媒介業務の第一歩。広告・現地案内も境界を前提とした説明。越境の判定も境界の認識に基づく。ポイント不明や紛争が存在する場合は、売主に、重説までに方向性を決定するようアドバイス。業者にはトラブルの未然防止も求められる。

◆犯罪収益移転防止法の改正 (H25.4.11)
犯罪収益移転防止法が改正され、4月1日から施行。【改正ポイント①】従前の「本人確認」が「取引時確認」とされ、顧客が、個人の場合は、①氏名、②住居、③生年月日の他に、④「取引を行う目的」、⑤「職業」の2項目、法人の場合は、①名称、②本店所在地に、③「取引を行う目的」、④「事業の内容」、⑤「実質的支配者の本人特定事項」の3項目が確認事項として追加。確認方法は、個人の①②③および法人の①②④は「公的証明書」の提示を求めて行い、個人の④⑤及び法人の③⑤は顧客の申告により確認。【改正ポイント②】特定国(イラン・北朝鮮)に居住・所在する顧客との取引は「ハイリスク取引」として、「本人特定事項」と「実質的支配者」を厳格な方法で確認。また、取引が200万円超である場合は、個人の場合は確定申告書や預金通帳等、法人の場合は貸借対照表や損益計算書等で、資産・収支の状況確認が必要。【ハイリスク取引】「なりすまし」、「偽り」の疑いのある取引も「ハイリスク取引」とされ、厳格な確認が必要。取引時確認では、二種類以上の書類で本人確認し、ハイリスク取引の可能性を排除。【疑わしい取引の届出】顧客が犯罪収益を隠匿している疑いが生じた場合は、速やかに届け出。届け出先は免許行政庁。【記録と保管】確認記録と取引記録は7年間保存。なお、確認記録の記録事項は、施行規則の改正で追加。【その他】宅地建物取引業者が行う「賃貸借契約の媒介」は特定取引には含まれず、「取引時確認」の必要はない。*詳細および確認記録の参考様式は、国土交通省のHPの「不動産業」 > 不動産業におけるマネー・ローンダリング対策(犯罪収益移転防止法)を参照。◆公示地価底入れの兆し 都市部で上昇相次ぐ国土交通省が発表した2013年1月1日時点の公示地価は、全国平均(全用途)で前年比1.8%下落した。5年連続の前年割れだが下落率は前年の2.6%から縮小した。このうち都内では全用途平均で0.3%下落したが、下げ幅は前年より1.0%縮小。個別の調査地点(都内全2606地点)で見ると、上昇が84地点と昨年(8地点)の10倍強に増えた。横ばいは1014地点と昨年(100地点)から大幅に増えた。住宅地では港区が昨年比0.1%上昇、多摩地区でも立川市や武蔵野市など4市が上昇しており、住宅地の回復が鮮明となっている。◆品川区 ブロック塀除去を全額助成 生垣への転換を促す品川区は2013年度、住宅街のブロック塀を撤去して生垣を植栽するプロジェクトを始める。モデル地区を指定し、ブロック塀の撤去にかかる費用を助成する。大震災の発生時に、倒壊したブロック塀は避難路を塞ぐことを防ぐとともに、生垣の植栽を促し街の緑化にもつなげる。モデル地区では、都が策定する地震発生時の危険度を示した地域危険度測定調査で、総合危険度5と判定された地区から選ぶ。従来の助成率は除去費用の2分の1程度だったものを、モデル地区では全額相当を補助するとともに、生垣の植栽を条件とする。◆渋谷のたばこと塩の博物館 9月に閉鎖し墨田区へ移転日本たばこ産業(JT)は、渋谷にある「たばこと塩の博物館」を移転のため9月1日で閉鎖すると発表した。建物の老朽化や資料収集が増えて手狭になったため。跡地利用は未定だが、売却の可能性が高いという。渋谷の繁華街に近い渋谷区役所近くの大通り沿いにあり、敷地面積880㎡のほぼ正方形の土地。博物館は2015年春頃までに新しい博物館を墨田区横川の生産技術センターなどがあるJTの敷地の一角に建てる予定。◆不動産適正取引推進機構における相談事例紹介⑳【相談者】中古マンションを媒介した仲介業者【内容】重要事項説明時に、売主の管理費・修繕積立金の滞納は説明したが、管理組合全体の修繕積立金の状況については説明しなかった。買主から全体の修繕積立金の滞納を指摘された。全体の修繕積立金についても説明しなければならないのか。【法令等の規定】①宅建業法施行規則第16条の2第6号「当該一棟の建物の計画的な維持修繕のための費用の積立てを行う旨の規約の定めがあるときは、その内容及び既に積み立てられている額」②宅建業法の解釈・運用の考え方(第35条第1項第6号関係の6)「(略)。また、当該区分所有建物に関し修繕積立金等についての滞納があるときはその額を告げることとする。ここでいう修繕積立金等については、当該一棟の建物に係る修繕積立金積立総額及び売買の対象となる専有部分に係る修繕積立金等を指すものとする。なお、この積立額は時間の経過とともに変動するので、できる限り直近の数値(直前の決算期における額等)を時点を明示して記載することとする。」【考え方】中古マンションの媒介に際しては、売主の管理費・修繕積立金の滞納(遅延損害金を含む。)だけではなく、全体の修繕積立金等の状況その他負担すべき負担金等に関しても把握しておく必要がある。さらに、管理組合総会や理事会における大規模修繕並びに管理費・修繕積立金の値上げの検討状況や滞納など、管理組合で特に問題となっていること等についても確認しておくことが求められる。

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