TRA不動産ニュースコラム 2013年7月

※2013年当時の記事です。現在の法令・税率・金利とは異なる場合があります。

◆環状2号線 築地市場を迂回する暫定路線で開通予定 (H25.7.29)
東京都は建設中の都道「環状2号線」について、築地市場を迂回する暫定路線で開通することを決め、迂回路の建設を始めた。市場の移転の遅れにより市場を通過する区間を予定通り完成させることが困難となったため。環2は虎の門から新橋を通り豊洲までの区間で工事中。現在の築地市場の位置も横断する。2015年度完成を予定していたが、市場の移転が14年度から15年度へ先送りされたことで、市場跡地に予定しているトンネル建設が間に合わない見込みとなった。

◆賃借人の専有部分に存しない看板の撤去請求が権利の乱用にあたるとされた事例
【事例】商業用ビルを所有していたAは、賃借権の負担付でビルを売却し、購入者は①「賃借権の負担が買主に承継される」②「建物には看板等がある」等の条件でYに転売した。Yは、地下の部分を賃借して飲食店XがAの承諾を得てビルの外壁・床面に設置していた看板の撤去を求めて提訴した。第一審はYの看板の撤去請求を棄却、控訴審は「本件建物の賃借権には看板の設置権原は含まれていない」としてYの撤去請求を認容。これを不服としたXは最高裁に上告した。【最高裁の判断】(1)看板は店舗の営業の用に供され、建物部分と社会通念上一体のものとして利用されてきた。看板を撤去せざるを得ないと、通行人らに営業していることを示す手段はほぼ失われ、営業の継続は著しく困難となり、Xには看板を利用する強い必要性がある。(2)売買契約書の記載や、看板の位置からすると、設置はAの承諾を得たものであることは、Yにおいて十分に知り得た。(3)Yに看板設置個所の具体的な利用目的・具体的支障はうかがわれず、Yの看板撤去請求は権利の濫用に当たる。【判決】X(賃借人)敗訴部分を破棄し、Y(賃貸人)の控訴を棄却【補足意見】判決に、裁判官の一人が次の補足意見を付した。①控訴審は、看板設置個所は借地借家法31条の建物には含まれないとしたが、特別の負担なく看板が設置されているような場合には、賃貸借契約書に明示されていなくても、賃貸借契約の内容をなしているということができる。②看板が借家人の独立の占有部分に存しないとの一事をもって同条の適用を否定する控訴審の解釈には賛同できない。(平成25年4月9日、最高裁第三小法廷判決)【注意点】賃貸借契約書に記載のない看板等が「賃貸借の内容をなしている」とされる可能性を示した重要な判示。看板の設置は「使用契約」等により位置や使用料等を定めるのが一般的だが、オーナーチェンジに際しては、契約書等の存在しない看板の存在確認も必要。

◆ 消費税率引上げに伴う住宅取得に係る対応について(国土交通省)
国土交通省では、消費税率の引上げの場合に実施を予定している住宅ローン減税の拡充等の税制上の措置や給付措置について、説明会を開催するとともにホームページ及び問い合わせ窓口を設置します。詳細につきましては、電話:0120-339-170ホームページ:http://jutaku-setsumeikai.jp/まで

◆ 富士山 世界遺産リストに正式登録 (H25.7.11)
国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会は、日本が推薦した「富士山」(山梨県、静岡県)などを正式に世界遺産リストに登録した。富士山に対する登録決議では、信仰関係の構成資産が、山への崇敬の念に基づいて文化が息づいてきた「たぐいまれな証拠」であると認めた。さらに、古来芸術作品を創造する感性の源泉であり続け、特に富士山を描いた19世紀の浮世絵が西洋美術の発展に影響したことを評価した。

◆中国 影の銀行がまん延 企業がまた貸しして不動産開発へ
中国の大手企業で、銀行を介さない「影の銀行(シャドーバンキング)」を使った資産運用が急拡大している。銀行から借り入れた資金を他の企業にまた貸しする枠組みで、2013年上半期だけで約2200億元(約3兆4000億円)が新たに流入。資金の多くは地方の不動産開発に使われている。銀行が紹介した企業に高い金利を直接貸し出す「委託融資」と、貸出債権を小口化した「理財商品」を購入するケースがある。銀行は融資にかかわる責任を取らず、貸し倒れリスクは大手企業が負う。

◆関東大震災で倒壊した「凌雲閣」が復活 台東区浅草の六区地区
東京の近代高層建築の先駆けで、関東大震災で倒壊した浅草のタワー型ビル「凌雲閣」が復活する。松竹が来夏に開業する劇場ビルの角に一体化する形でタワーを建造する。高さも48mと明治・大正期のオリジナル(52m)に近い高さとする。復元するのは浅草寺の西側にある浅草六区。かつて凌雲閣があった場所からの距離は20mと近い。凌雲閣は1890年に完成した観光目的の12階建てビルで、名称は「雲を凌(しの)ぐほど高い」を意味した。1923年の関東大震災で上層階が倒壊した。

◆ 不動産適正取引推進機構における相談事例紹介(24)
【相談者】建売住宅分譲を計画している業者【内容】経費削減のため、売買契約書を1通として印紙代を半分にしたい。【考え方】不動産売買契約書は2通作成し、売主と買主が保有する各々の契約書に印紙を貼付・消印するのが一般的で、各々の契約書はそれぞれが原本となる。当事者間で合意すれば、契約書を1通として作成した契約書を原本とすることは可能。印紙代は「売買契約に関する費用は、当事者双方が等しい割合で負担する(民法588条)」の趣旨から折半が原則。売買契約書の原本は「課税文書(印紙税法3条1項別表一、1)」に該当するが、写し(コピー)は課税文書に該当しないので印紙を貼付する必要はない。契約書を1通とするときは、業法37条の書面を契約書としている現実や無用なトラブル回避の観点から、契約書(原本)は買主(消費者)保有とし、売主(業者)は写しを保有する。一般的方法ではないので、重要事項説明書で説明し、また、売買契約書で約定して合意事項とする。標準売買契約書は「契約書2通を作成し、(略)各その1通を保有する」としているので、この部分を「契約書1通を作成し、買主がこれを保有し、売主はこの写し(複写機によるコピー)を保有する」と変更(注/標準売買契約書の「印紙代の負担」の条項は「売主、買主が平等に負担」としている)。写しに①正本等との割印があるもの、②契約当事者の双方または原本保管者の署名または押印があるもの、③「正本等と相違ない」「写し」「副本」「謄本」等であることの契約当事者の証明のあるもの等は課税文書に該当するので注意が必要。コピーは、契約当事者の署名・押印だけでなく、訂正・追加事項の処理や印紙の貼付・消印等の手続きが完了した後に行い、後日に訂正等行った場合は再度コピーする。

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